ウェイクで車中泊はできる?寝床の広さ・シートアレンジと準備のポイント

ウェイクで車中泊はできる?寝床の広さ・シートアレンジと準備のポイント

ウェイクは、シートをアレンジして横になる空間を作れる車です。車中泊を考えるなら、まずは寝る人数に合わせてシートの配置を決め、実際に横になって長さと段差を確かめることから始めましょう。天井の高さは魅力ですが、それだけで寝床の広さや寝心地が決まるわけではありません。

1人なら助手席側を使う配置も候補になり、2人なら左右を使った寝床と荷物置き場を一緒に考える必要があります。この記事では、ウェイクの室内寸法と就寝例を分けて紹介しながら、シートアレンジ、寝具、装備の確認点を整理します。初めての一泊に向けて、宿泊場所と季節の注意点も押さえておきましょう。

この記事のポイント
  • 人数と体格に合わせた寝床の広さ
  • 3通りのシート配置と段差への対応
  • デッキボードと荷物置き場の確認
  • 気温と宿泊場所の条件を踏まえた準備
目次

ウェイクで車中泊するための広さとシートアレンジ

1人・2人で寝られる?室内寸法と寝床を分けて考える

1人・2人で寝られる?室内寸法と寝床を分けて考える

ウェイクの広さを知る参考として、ダイハツ公式の中古車カタログでは、2014年11月発売のG・DBA-LA710Sの室内長が2,215mm、室内幅が1,345mm、室内高が1,455mmと掲載されています。ただし、これは室内寸法です。

長さ2,215mm、幅1,345mmの長方形の寝床を、そのまま使えるという意味ではありません。寝る位置ではシートの形や背もたれの角度が関わります。ダイハツ公式カタログ

実際の体格との関係がわかるのが、2019年公開の価格.comマガジンの就寝レビューです。身長175cmの筆者は、前席を後ろへ倒して後席とつなぐ配置で、まっすぐ寝ると頭が少し持ち上がり、斜めになると体をそれほど曲げずに横になれたと報告しています。

これは特定の配置での一例であり、「身長175cmまでなら必ず快適」という境界線ではありません。

2人で使う場合は、2人同時に横になって判断するのがおすすめです。1人が斜めになって得られる余裕を、2人とも使えるとは限りません。「はるそめロードバイク日記」には夫婦と4歳児で泊まった例がありますが、筆者の感想は「3人では狭い」というもの。

2人なら快適そうだという評価も、個人の見立てとして受け取りましょう。カタログの乗員定員4名を、就寝人数の目安にはできません。

寝床の作り方は3通りを比較する

シートアレンジは、長さを優先するか、体に触れる面のやわらかさを優先するかで比べると考えやすくなります。ダイハツ公式のウェイク特集でも、左右独立スライドの後席やロングソファモードを紹介しています。具体的な就寝配置は、価格.comマガジンのレビューに次の3通りが掲載されています。

配置寝床の特徴比較するときの着眼点
助手席と後席を前方へ倒し、荷室につなぐレビューでは1人分の寝床として紹介助手席側の長さと、シート背面の硬さ
前席を後方、後席を前方へ倒すフルフラットモードレビューでは上下2段調節式デッキボードを使用ボードの有無、硬い面、隙間への対応
前席を後方へ倒し、後席の座面につなぐシートのクッション面を使える頭から足先までの長さと姿勢

1人なら、助手席側を前に倒す配置から比べられます。一方、クッション面に横になりたいなら、前席と後席の座面をつなぐ配置が候補です。レビューの筆者も後者で就寝していますが、前述のように身長175cmでは姿勢の調整が必要でした。

名称に「フルフラット」と付いているかより、自分の体をどこに置けるかを優先しましょう。

上の表は配置の比較で、レバー操作を含む取扱手順ではありません。シートを動かす順序や装備の扱いは、車載の取扱説明書で確かめてください。ダイハツも中古車の確認ポイントとして、販売員の説明や取扱説明書で操作方法を調べ、スライドやリクライニングに問題がないか確認するよう案内しています。

購入前なら、希望する寝床の形を販売店で一度作ってもらうと具体的です。

マットは長さ・幅と体に当たる段差で選ぶ

マットは長さ・幅と体に当たる段差で選ぶ

マットを先に買うより、寝床を作ってから必要な大きさを決めましょう。カタログの室内寸法ではなく、選んだ配置でマットを置ける長さと幅が基準です。そのうえで横になり、肩・腰・脚のどこに段差や硬い部分が当たるかを確かめます。頭を車の前後どちらへ向けるか、位置を少しずらすかでも、体に当たる場所は変わります。

JAF Mateの車中泊解説では、まず大きな段差や隙間をクッションや折り畳み式キャンプマットで整え、その上にエアマットを敷く方法を紹介しています。ウェイクでも、後席背面やデッキボードを使う配置では、硬さと隙間が検討点になります。

寝床全体を覆うマットと、局所的な段差を埋める物は、役割を分けて考えるとよいでしょう。

「厚さ何cmならウェイクに最適」と一律には決められません。座面を使う配置と、硬いシート背面を使う配置では、マットに求める補い方が違うためです。選ぶ順序は、置ける大きさ、段差への対応、横になったときの感触。2人分を用意する場合も、敷いた状態で両方の人が寝られるかまで試しましょう。

短時間横になるだけでも、腰の下に隙間が残る、頭が高くなるといった問題を見つけられます。

年式・グレードとデッキボードの現物を確認する

ウェイクで見落としたくない装備が、荷室のデッキボードです。公式の中古車チェック案内では、ウェイクのデッキボードはアンダーボックスのふたを兼ね、脚を立てて荷室を広く使えると説明しています。

また、2019年の就寝レビューでは、フルフラットモードに上下2段調節式デッキボードが必要で、グレードによって装備が異なるとされています。

そのため、中古車を選ぶときは年式やグレード名に加え、目の前の車両に必要なボードがあるかを見ましょう。ダイハツが挙げる確認点は、ボードの傷や歪み、固定用フックの傷や曲がり、車体へ固定できるか、機能の不具合、取り外せる部品の欠品です。

寝床づくりに使う予定なら、ボードが付属するという説明だけで終わらせず、展開した状態を確かめておきたいところです。

あわせて、シートのスライドやリクライニング、レバーの状態、倒したときに現れる背面の傷や汚れも確認します。普段の着座状態では見えない部分が、車中泊では寝床になるからです。古いレビューに登場する装備や価格を、購入する車の標準装備や現在の追加費用として扱わず、実車の装備と状態で判断しましょう。

ウェイクで車中泊する前に整える荷物・寝具・宿泊場所

荷物は寝床を広げた状態で置き場所を決める

ウェイクには床下などの収納がありますが、寝床を作ったあとにどこが使えるかまで考える必要があります。価格.comマガジンのレビューでは、助手席座面下のアンダーボックスと荷室下の収納を紹介。さらに、前席を後方へ倒して後席の座面につなぐ配置では、荷室にも荷物を残せたと報告しています。

一方、助手席側から荷室までを寝床として使うなら、その範囲と荷物置き場を重ねないように計画したいところです。出発時に荷物が収まるかだけでなく、寝具を広げた状態で荷物も車内に収まるかを試しましょう。1人用の寝床で足りるのか、左右を使うのかを先に決める理由は、ここにもあります。

ダイハツ公式のウェイク特集では、デッキボードの脚を立てる二段積みも紹介しています。通常はアンダートランクに入らない物を収め、その上にも積める使い方です。ただし、積載用の配置と就寝用の配置は、実車で一緒に試す必要があります。

「収納が多いから何でも持っていける」と考えるより、寝床の形を決めてから荷物を合わせるほうが無理のない準備になります。

初回は寝具と窓の目隠しを中心に準備する

初回は寝具と窓の目隠しを中心に準備する

寝床の形が決まったら、準備の中心は段差に対応するマット類、季節に合った寝具、窓の目隠しです。JAF Mateでは、寝袋の使用温度帯を目安に、宿泊先の気温に合う物を用意するよう紹介しています。マットは体の下の凹凸に対応する物、寝袋などは気温に合わせて選ぶ物として、それぞれ検討しましょう。

窓の目隠しは、外からの視線や朝方のまぶしさが気になる場合の準備です。フロントガラス用だけでなく、運転席・助手席の横の窓も対象になります。汎用品と車種専用品があるので、どの窓を覆う商品なのかを見て選びましょう。

価格.comマガジンの試乗車には後席窓の引き出し式シェードがありましたが、それだけで車の全窓を覆えるわけではありません。

買い足しを決める前に、予定している寝具を敷いて横になってみてください。JAF Mateも、寝る位置を変えながら不快な部分を探し、段差を整える進め方を紹介しています。ウェイク専用という表示だけで寝心地まで決まるわけではないので、自分のシート配置と体格に合うかが最後の判断です。

目隠しを付けたことを、暑い車内で安全に眠れる根拠にはしないでください。

エンジンをかけたまま寝ず、暑さ寒さで計画を見直す

車中泊は、エンジンをかけたまま冷暖房を使い続ける前提にしないでください。JAFは、排出ガスによる一酸化炭素中毒や燃料切れの危険を挙げています。夏の検証でも、エンジンをかけた状態には誤操作で車が動く可能性や、燃料切れで停止する可能性があると説明しています。

暑さや寒さをしのげない条件なら、車内で泊まる計画自体を見直しましょう。

サンシェードや少しの窓開けも、暑さへの十分な対策とは限りません。JAFが2012年8月、気温35℃の晴天時にミニバンで行った日中の試験では、車内最高温度はサンシェード装着車で50℃、窓を3cm開けた車で45℃でした。

これはウェイクや夜間の測定値ではありませんが、目隠しや窓開けだけで車内の温度上昇を防げると考えないための材料です。JAFの夏の車内温度テスト

冬も、車内だから暖かいとは考えないほうがよいでしょう。JAFの2月の長野県での夜間試験では、外気温-10.2℃で測定を開始し、25℃まで暖めた車内が、エンジン停止後3時間で氷点下になりました。JAFは厳冬期の車内について、荒天時に救援などを待つ緊急避難場所として使うに留めるのが賢明としています。

冬用寝袋があれば、どんな寒さでも泊まれるという説明ではありません。

体を動かす余地と水分も忘れずに。厚生労働省は、食事や水分が不足した状態で狭い座席に長時間座り、足を動かさないことによる血栓のリスクを説明しています。予防として、軽い体操やストレッチ、こまめな水分補給、ゆったりした服装などを案内しています。

フラットな寝床を作ることに加えて、移動中も含めた過ごし方に気を配りましょう。厚生労働省の予防案内

道の駅の仮眠と宿泊利用を区別する

道の駅の仮眠と宿泊利用を区別する

寝床が完成しても、駐車できる場所ならどこでも宿泊できるわけではありません。道の駅について国土交通省は、交通事故防止のための休憩施設として、運転途中の疲労回復を目的とする車内での仮眠はかまわないとしています。一方、駐車場などの公共空間における宿泊利用は、基本的に遠慮してほしいという案内です。

国土交通省「道の駅」駐車場での車中泊について

例外として、別途、宿泊利用のための駐車スペースを設けた道の駅もあります。予定を立てて一泊するなら、目的地の施設が宿泊利用を受け入れているか、そのためのスペースがどこかを公式案内で確認しましょう。「24時間使える」という休憩施設の性格を、そのまま宿泊自由という意味に読み替えないことが大切です。

道の駅で休憩することと、旅の宿泊先として選ぶことは、計画の段階で分けておきましょう。国土交通省も、宿泊用スペースの詳細は各道の駅のホームページなどで確認するよう案内しています。

ウェイクの車内を整える準備と並行して、泊まる場所の利用条件を押さえておけば、到着してから宿泊できないと気づく事態を避けられます。

ウェイクで車中泊するための準備まとめ

この記事のまとめです。

  • ウェイクはシートアレンジで横になる空間を作れるが、体格と配置によって寝心地が変わる
  • カタログの室内寸法は、そのまま使える寝床の寸法ではない
  • 2人で使う場合は、2人同時に横になって広さと姿勢を確かめる
  • 助手席側を倒す配置、フルフラット、座面をつなぐ配置を比較する
  • マットは実際の寝床の長さ・幅と、体に当たる段差を基準に選ぶ
  • 年式・グレードに加え、デッキボードの有無や欠品、シートの動作を実車で確認する
  • 荷物置き場は、寝具を広げた就寝時の配置で考える
  • 季節に合う寝具と窓の目隠しを用意し、目隠しだけを暑さ対策として頼らない
  • 就寝中はエンジンを止め、暑さ寒さが厳しい条件では計画を見直す
  • 軽い運動やこまめな水分補給など、移動中も含めて健康に配慮する
  • 道の駅は疲労回復の仮眠と宿泊利用を区別し、宿泊用スペースの有無を施設ごとに確認する
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この記事を書いた人

車中泊のミカタを運営しているクルミです。車種ごとの寝やすさ、マットやベッドの選び方、目隠し・換気・暑さ寒さ対策、泊まる場所のルールやマナーを、初めての方にもわかりやすく整理しています。無理なく安全に、くるま旅を楽しむための準備を一緒に確認していきます。

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