車中泊の網戸を自作する方法|100均の材料・採寸・マグネット固定の手順

車中泊の網戸を自作する方法|100均の材料・採寸・マグネット固定の手順

車中泊の網戸は、防虫網とマグネットテープを使い、窓の外側に取り付ける形で自作できます。基本の工程は、窓に合わせて網を切り、縁にマグネットテープを固定して、周囲のボディに留めるだけ。ただし、作り始める前に、磁石を付けられる場所とドアバイザー周りの形を見ておくことが大切です。

費用を抑えながら実車に合わせたいなら自作、磁石を付けにくい窓や、装着したまま窓を開閉する使い勝手を重視するなら市販品も候補になります。まずは窓用のマグネット式を中心に、材料と手順から見ていきましょう。

この記事のポイント
  • 磁石の付く窓に合わせる自作方法
  • 100均でそろえる材料と費用の目安
  • 採寸・カット・マグネット固定の手順
  • 隙間の見直しと市販品の使い分け
目次

車中泊の網戸を自作する材料と作り方

自作前に、磁石の付く場所と窓の形を確認する

自作前に、磁石の付く場所と窓の形を確認する

ここで紹介するのは、窓の外側を防虫網で覆い、網の縁に付けた磁石をボディに吸着させる方式です。ガラスにはめ込む枠を作る方法とは異なり、網を切って縁を加工するのが中心なので、窓の形に合わせて作れます。

最初に見るのは、ガラスの縦横だけではありません。網の周囲をどこに留めるか、その位置に磁石が付くかまで含めて確認します。いとうみゆきさんがカエライフで紹介している制作例でも、網を合わせたときに、マグネットがちょうどボディ部分に来るように測ることを重視しています。

また、窓の上にバイザーがある車では、単純な長方形の網で収まるとは限りません。同じ制作例では、バイザーのある窓に長方形の網を当てると大きな隙間ができ、T字形に切り取っています。

この形をそのまままねるより、自分の車で「網を覆わせる範囲」と「磁石を留める位置」を先に決めるのが順序です。取り付けたい場所に磁石が付かない場合は、このマグネット式を前提に材料を買いそろえず、後述するはめ込み式なども比べてみてください。

100均でそろえる材料と費用の目安

用意するものは、防虫網、マグネットテープ、ハサミ、ホチキス、接着剤の5つです。カエライフの自作例では、ダイソーやセリアなどの100円均一ショップで調達できる材料・道具として紹介されています。

材料・道具この作り方での役割
防虫網窓の開口部を覆う部分
マグネットテープ網の縁をボディに固定する部分
ハサミ窓の形に合わせて網を切る道具
ホチキス・接着剤網とマグネットテープの接合を補うもの

費用は、窓の大きさと作る枚数によって変わります。2023年5月19日時点の情報を掲載したカエライフの制作例では、スライドドア用の網戸を2枚作る場合に税込み1,000円程度とされています。これは、その制作例での目安です。

「100均の材料だから、どの車でも同じ総額」とは考えず、必要な網の面積と、縁に使うマグネットテープの量を見て予算を立てましょう。

特に、糊付きのマグネットテープを選んでも、ホチキスや接着剤による固定は省かない作り方です。付け外しを繰り返すうちに、テープの糊だけでは網から外れる可能性があるため、網と磁石を接合する材料も含めて準備します。

防虫網は網目の細かさと柔らかさで選ぶ

防虫網は網目の細かさと柔らかさで選ぶ

網を選ぶときは、単に「細かいほどよい」と決めず、虫への備えと風の通り方を一緒に考えます。網目の細かさを表すメッシュは、1インチ、つまり2.54cm当たりの網目の数。数字が大きいほど網目が細かくなります。

網戸用の網を販売するRESTAは、住宅用網戸の選び方として、18・20メッシュは風通しがよい一方、小さなコバエなどが侵入する可能性があると説明しています。24メッシュは防虫と風通しのバランスを取る選択肢、30・40メッシュはさらに細かい反面、風通しが悪くなるという案内です。

この説明を材料選びの参考にするなら、まず24メッシュを比較の起点にし、より細かい網にする場合は通気性との兼ね合いを見ます。ただし、住宅用の張り替え網についての説明であり、24メッシュを選べば車中泊であらゆる虫を防げるという保証ではありません。

完成後は、網目だけでなく周囲の隙間も別に見る必要があります。

折りたたんで収納したい人は、柔らかさも選ぶ条件です。カエライフでは、防虫網とマグネットテープの両方に柔らかい素材を使えば、取り外したあとに折りたためると紹介しています。網目は防虫・通気のため、柔らかさは加工後の収納のため、と役割を分けて選ぶと迷いにくくなります。

採寸・カット・マグネット固定の手順

作業は、採寸して網を切る、縁にマグネットテープを付ける、接着剤が乾いてから装着する、という流れです。寸法を決める基準は、ガラスの輪郭にぴったり合わせることではなく、網で窓を覆った状態で、マグネットが周囲のボディに届くこと。切る前の位置合わせが仕上がりを左右します。

  1. 固定位置を含めて採寸する。 窓枠に網を合わせたとき、縁のマグネットがボディ部分に来る大きさを測ります。バイザーがある場合は、その周囲の形も見ます。
  2. 防虫網を窓枠より少し大きめに切る。 マグネットテープを取り付け、ボディに留める分を含めた形にします。
  3. 網の縁にマグネットテープを固定する。 ホチキスや接着剤を使い、周囲に取り付けます。糊付きテープでも、網との接合を補います。
  4. 接着剤が乾いたら車体に装着する。 縁のマグネットをボディに吸着させ、窓を覆う位置に合わせます。

切りしろは、すべての車で共通の数値にするより、実際に磁石を留める位置から決めます。網を窓枠と同じ大きさに切ってしまうと、今回のように周囲のボディへ磁石を留める作り方には合いません。先に固定位置を決め、その位置まで届く網を残す、という順序です。

接合するときは、マグネットテープの糊を過信しないこともポイント。完成直後に貼り付いているかだけでなく、取り外す動作を繰り返す道具だと考えて、網とテープを固定します。

接着剤を使った場合は、乾く前に装着せず、完成までの工程に乾燥を含めてください。

車中泊の自作網戸を使う前の確認と市販品の使い分け

隙間ができるときはバイザー周りと網の縁を見直す

装着後は、網そのものと、網の周囲を分けて見ます。網目を細かくしても、縁が浮いて窓との間に隙間があれば、そこから虫が入る可能性は残ります。カエライフも、網戸の隙間や人の出入りが侵入経路になるため、網戸だけで虫の侵入を100%防げるわけではないと説明しています。

まず見直したいのが、バイザー周りです。いとうみゆきさんの制作例では、ニュージーランドで車中泊をしていたときの網戸は真四角でしたが、ドアバイザーの付いた「白くま」では真四角だと大きな隙間ができるため、T字形に切り取っています。T字形への変更は、その車の形状に合わせた調整です。

そのため、隙間があるときは、すぐに別の網へ買い替える前に、縁のマグネットがボディに届いているか、バイザーに合わせた形になっているかを見ます。「網目が粗いこと」と「取り付けた周囲に隙間があること」では、見直す場所が違います。

また、この自作例では、形を変えたあとも、マグネットテープをもう少し長くすれば隙間を減らせたかもしれないと振り返っています。形を整えたら完成と決めず、実際に装着した状態で縁まで見ることが大切です。窓を開けて使うときも、開口部が網で覆われているかを確かめましょう。

磁石が使えない窓や大きな開口部は市販品も比較する

磁石が使えない窓や大きな開口部は市販品も比較する

自作と市販品を分ける基準は、価格だけではありません。実車に合わせて網の形を調整したいのか、採寸や加工を減らしたいのか、磁石以外の方法で固定したいのかでも選択が変わります。

市販品にも、窓枠に被せて磁石で留めるものと、窓ガラスの溝にはめ込むものがあります。磁石を付ける場所がないことが悩みなら、同じ磁石式の完成品に替えるだけで解決すると考えず、取り付け方式から比べるのがよいでしょう。

選択肢固定方法・サイズの考え方検討しやすい条件
防虫網とマグネットテープで自作ボディに磁石で固定。実車に合わせて切る材料費を抑え、窓の形に合わせて加工したい
セイワ「楽らくマグネット防虫メッシュ SD」IMP040スライドドア用。窓枠に被せ、下側のマグネットで固定。製品サイズH810mm×W1150mm×D2mm磁石式を使え、網を切ったり接合したりする工程を減らしたい
アイズ「ウィンドーバグネット」車種別専用設計。窓ガラスの溝にはめ込む自分の車に対応する製品があり、磁石以外の固定方法を選びたい

セイワの「楽らくマグネット防虫メッシュ SD」は、スライドドア用の製品です。表の寸法は製品自体のサイズなので、自分の車に装着できると寸法だけで決めず、窓枠に被せる形と磁石の固定位置も照らし合わせます。

一方、アイズの「ウィンドーバグネット」は、ねじや工具を使わず、窓ガラスの溝にはめ込む車種別の網戸。メーカーは装着したまま窓を開閉できると案内しています。製品選択は車種名だけでなく型式・年式で分かれているため、自分の車に対応するものを選ぶ必要があります。

バックドア全体のような大きな開口部では、網で覆うことに加え、人や荷物をどう出し入れするかも選択条件です。カエライフで紹介されているバックドア用網戸には、車内・車外の両方から開閉できる中央ファスナーがあります。

窓だけを覆う自作網戸と、出入りを伴う開口部の網戸では、必要な構造が違います。「スライドドア用」という呼び方でも、窓部分に使うのか、ドアの開口部全体を覆いたいのかを区別して選びましょう。

ウィンドーバグネット を探す

外付けの自作網戸は走行前に外し、使わないときは収納する

ここで紹介した外付けのマグネット式自作網戸は、走行前に取り外します。制作例でも、付けたまま走ると外れるため、運転するときは取り外すとしています。

取り付ける作業と、出発前に回収する作業を一組で考えておきましょう。

市販品にも、走行時に取り外す指定があります。例えばHondaのN-VAN用「ウインドウメッシュ フロント用左右セット」は、装着したまま走行できず、必ず取り外すよう案内されています。見た目が似ていても、停車中に使う製品かどうかは、製品ごとの注意事項で判断します。

一方、アイズのウィンドーバグネットは装着したままの走行も可能と案内していますが、フロントセットは装着状態で公道を走行しないよう注意があります。この仕様を、外付けの自作網戸にも当てはめることはできません。

収納については、柔らかい防虫網とマグネットテープで作れば折りたためます。また、自作例では、炎天下で長時間付けたままにするとマグネットがボディから離れなくなる可能性も挙げられています。使わないときまで車体に付けっぱなしにせず、外して収納する使い方を前提にしてください。

網戸だけで暑さ・目隠し・防犯まで解決しようとしない

網戸だけで暑さ・目隠し・防犯まで解決しようとしない

網戸は、窓を開けたときの虫の侵入を抑えるためのものです。「網戸を付ければ真夏も安全に眠れる」とまでは考えないでください。

JAFの真夏の車内温度テストでは、2012年8月、晴天・気温35℃の条件で、正午から4時間、ミニバンの車内温度を測定しています。窓を3cm開けた車両でも、車内最高温度は45℃でした。JAFは、窓開けやサンシェードによる温度抑制効果は低く、車内温度の上昇を防げないとしています。

この結果は、夜間に窓を大きく開けた車中泊を再現したものではありません。それでも、窓を開けることだけを暑さへの安全保証にできない点は押さえておきたいところです。網戸を作ることと、暑い環境で車内に滞在できるかの判断は分けて考えます。

目隠しや防犯についても、網戸の役割を広げすぎないことが大切です。いとうみゆきさんの自作例では、目隠しの力はあまりないとされています。カエライフも、一般的な柔らかい網戸は刃物で切れるため、防犯面の不安があると説明しています。

虫を抑えながら窓を開けること、外からの視線を遮ること、侵入を防ぐことは、それぞれ別の条件です。まずは固定できる窓で隙間の少ない網戸を作り、網戸で担えない部分まで解決したつもりにならないことが、車中泊の準備では大切になります。

車中泊の網戸を自作するときのまとめ

この記事のまとめです。

  • 窓の外側に付けるマグネット式は、固定位置を含めて実車に合わせて作る
  • 材料・道具は防虫網、マグネットテープ、ハサミ、ホチキス、接着剤
  • 2023年5月19日時点の情報では、スライドドア用2枚で税込み1,000円程度という制作例があり、実際の費用は窓の大きさや枚数で変わる
  • 網目は防虫と通気性の両方で選び、収納したい場合は網とマグネットテープの柔らかさも見る
  • 網は窓枠より少し大きく切り、縁のマグネットがボディに届く形にする
  • 糊付きマグネットテープでも接合を補い、接着剤を使った場合は乾いてから装着する
  • 虫の侵入経路になる周囲の隙間は、網目の細かさとは別に確認する
  • 磁石が使えない窓は、車種別のはめ込み式など、固定方法の違う市販品も候補になる
  • 外付けの自作網戸は走行前に外し、炎天下で長時間付けっぱなしにしない
  • 網戸だけで暑さへの安全、十分な目隠し、防犯まで確保できるとは考えない
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この記事を書いた人

車中泊のミカタを運営しているクルミです。車種ごとの寝やすさ、マットやベッドの選び方、目隠し・換気・暑さ寒さ対策、泊まる場所のルールやマナーを、初めての方にもわかりやすく整理しています。無理なく安全に、くるま旅を楽しむための準備を一緒に確認していきます。

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