
デリカで車中泊したいけれど、どこまでカスタムすればいい?
デリカD:5を車中泊仕様にする方法は、シートを倒して寝床を作る方法、市販のベッドキットを載せる方法、クーラーなどを備えた完成車や内装キットを選ぶ方法があります。まず寝床を整えるならマットやベッドキット、就寝人数や冷暖房設備まで考えるなら完成車の装備も比べてみましょう。
迷いやすいのは、乗車人数と寝られる人数の違い、シートを倒したときの段差、そして普段の座席や荷物置き場をどれだけ残せるかです。この記事では、完成車と内装キットの費用、7人乗り・8人乗りの寝床、市販ベッドとDIYの作例を順に紹介します。後半では収納や電源の整え方と、車中泊場所・火気・走行時の注意もまとめました。
- 完成車の車両価格と、内装キット・ベッドのみの費用を分けて比較
- 8人乗りのベンチシートと7人乗りの独立シートで異なる寝床づくり
- マット、市販ベッド、イレクターDIYそれぞれの寸法と使い方
- 普段使いへの戻し方、車中泊場所、車内で火を使わないための注意
デリカの車中泊仕様を選ぶ|完成車・シート・ベッドの違い
- 完成車・キットの費用と装備の違い
- 標準デリカD:5の寝床と7人乗り・8人乗りの違い
- インフレータブルマットと市販ベッドキットの比較
完成車・キットの費用と装備の違い


冷暖房や電源を備えた車中泊仕様を探すなら、完成車と内装キットの装備を比べるところから始めましょう。JAF Mate Onlineの車中泊カー紹介には、ロッキー2、D:POP、Active Camper LOGOS EDITION、Dキャンパー内装キットが掲載されています。以下の価格は各紹介記事・作例での掲載額です。車両を含む完成車、取り付ける内装キット、寝床だけのベッドでは、価格に含まれる範囲が違います。
| 対象 | 価格(円) |
|---|---|
| ロッキー2/デリカ D:5 MV | 691万9600円〜 |
| MDF/デリカD:POP | 637万4500円〜 |
| ダイレクトカーズ/DELICA D:5 Active Camper LOGOS EDITION | 798万円〜 |
| グランドモーター/Dキャンパー内装キット | 107万8000円〜 |
| デリカD:5専用に設計されたベッドキット | 約3〜10万円 |
| ALPINE STYLEのデリカD:5専用マルチベッドキット | 19万8000円 |
| デリカD5(型式:DBA-CV2W)の車中泊ベッド | 31,800円 |
ロッキー2/デリカ D:5 MVは5人乗車・2人就寝で、ベッドサイズは全長2100×全幅1110mmです。12Vのルーフクーラー、FFヒーター、200Ahサブバッテリー、走行充電を標準装備しています。天井断熱加工はオプションなので、クーラーと一緒に標準で付く装備とは分けて確認します。
MDF/デリカD:POPは8(または7)人乗車・4人就寝の構成で、ポップアップルーフのベッドは全長1800×全幅1160mm。ルーフはフルオープン・メッシュ・フルクローズの3通りで使えます。紹介されている車両はオリジナルベッドキットも備え、下段は金属フレームにマットを載せる構造です。下に柱がないため、長い道具を収納したい人にも注目したい部分です。
Active Camper LOGOS EDITIONは4人乗車・2人就寝。後部を全面ベッドにするほか、片面を対面テーブルにしてくつろぐ使い方も紹介されています。クーラー、外部充電、走行充電は標準装備ですが、回転シート、ロッドホルダー、テレビ、冷蔵庫はオプションです。
Dキャンパー内装キットは取り付け工賃込み107万8000円〜で、基本の状態では2人就寝、218万9000円のポップアップルーフを追加すれば4人就寝が可能です。走行充電、USB/シガーソケット、LED室内灯、シンク、80Ahサブバッテリーを標準装備し、ルーフ内の寸法は全長1930×全幅1020mm、高さ最大940mmと紹介されています。
表のDIY費用31,800円はイレクター部材のみの概算です。完成車の価格と同じ総額として比べず、どこまで装備を含めたいかを決めてから候補を絞ると、費用の見方が整理できます。
標準デリカD:5の寝床と7人乗り・8人乗りの違い


シートを利用して寝床を作る場合は、2列目と3列目を倒すアレンジが基本です。東海三菱自動車販売の解説では、室内幅は150cmほど、室内高は130cmほどと紹介されています。横になるだけでなく、着替えやテーブルを使った食事にも利用できる空間です。
8人乗りでは、セカンドシートとサードシートのヘッドレストを外して倒すと、大人2人が並んで足を伸ばせる空間になります。2列目はベンチシートなのでシート間の隙間が少なく、寝床を作りやすいのが特徴です。ただし、サードシート部分に頭を置くと段差があるため、クッションなどで調節します。
7人乗りは2列目が独立した座席で、座席の間にスペースができます。その隙間を専用マットレスやクッションで埋める方法が紹介されているので、7人乗りでも寝床づくりを検討できます。シートを倒すだけで済ませたいのか、隙間を補う用品も使うのかで、準備するものが変わります。
荷物を多く積みたいときは、2列目をチップアップしてスライドさせ、3列目を左右に跳ね上げるアレンジもあります。この状態では運転席と助手席の2名乗車となり、荷室長は1,610mmです。スキー板やスノーボード、テントなど大きな荷物を積むための空間として紹介されています。
寝床は2列目・3列目を倒す配置、広い荷室はチップアップと跳ね上げを使う配置です。寝るための面と荷物を積む空間を、それぞれの用途で選びましょう。
インフレータブルマットと市販ベッドキットの比較


シートの段差を補う用品から始めるなら、インフレータブルマットが候補です。内部に圧縮性のウレタンフォームを持ち、バルブを開けると空気を取り込んで膨らみます。紹介記事では厚さ8cmのマットを使う方法が挙げられ、段差や傾斜が気になる場合は、へこんだ部分をクッションやタオルで補うと説明されています。
ベッドキットは、シートの凹凸に左右されにくい就寝面と、ベッド下の収納を作りたい場合の選択肢です。HID屋の紹介記事では、デリカD:5専用ベッドキットの費用を約3〜10万円としています。穴あけなど難しい加工が不要なタイプも多く、マットを外して普段の座席へ戻せるものがあります。
具体的な製品例として、ALPINE STYLEのマルチベッドキットを紹介した記事では、価格19万8000円、デリカD:5(2007年1月〜)全グレード適合、PVCレザー製、ブラックという仕様が掲載されています。先ほどの約3〜10万円という紹介記事の目安とは別に、この製品の掲載価格として見てください。
同キットの就寝面は奥行き約2m、横幅1300ミリ、厚さ80ミリで、大人2人が横になれると紹介されています。未使用時は3列目シート上に5枚のマットを載せて収納できます。前3枚を後ろへ収納すれば2列目は全席使えるため、普段の乗車と車中泊を切り替えたい人にも関係する仕様です。
運転席側のベッドを敷いたまま、2列目助手席側の座席を使う配置も紹介されています。普段の座席も使いたい人は、部分的に展開できる配置と、使わないマットの収納場所を比べてみましょう。
デリカの車中泊仕様を仕上げる|DIYと装備・安全の注意
- デリカD5車中泊ベッドのDIY寸法・材料・製作工程
- 収納・目隠し・換気・電源の快適装備
- 車中泊場所・火気・アイドリングの注意点
デリカD5車中泊ベッドのDIY寸法・材料・製作工程


自作を検討するなら、矢崎化工のデリカD5用ベッドの公式レシピが参考になります。モデル車種はデリカD5(型式:DBA-CV2W)で、製作前に設置する車の寸法を確認するよう案内されています。完成サイズは幅107cm・奥行179cm・高さ47cm。概算材料費は31,800円、質量は14.0kgで、どちらもイレクター部材のみの数字です。製作期間は1日、難易度はレベル3とされています。
材料表には、Φ28イレクターパイプ1080mm 4本、960mm 4本、530mm 2本、449mm 4本、428mm 8本、377mm 6本とあります。ジョイントはJ-46が16個、J-110Aが10個、HJ-1が14個、HJ-2が8個、HJ-3が2個。ゴムキャップインナーは10個です。
板材は次の2種類です。
- 板:400×1060×30mm(1枚)
- 板:520×1450×30mm(2枚)
工具としてメタルレンチ(六角棒スパナ5)とサンアロー接着液30mlも挙げられています。イレクター部材の費用だけで完成するつもりで準備せず、板材や固定に必要なものも材料表でそろえてください。
公式レシピの製作工程は、次の順番です。
1. 2列目を前方へスライドして倒し、3列目を跳ね上げて固定します。
2. イレクターのフレームを組み立て、分解できるメタルジョイントを締め付けて固定します。面ごとに組んでおくと、車内への設置がしやすくなります。
3. 2列目を囲う面同士を1080mmのパイプで連結します。
4. 3列目の空間にもフレームを作り、2列目側と530mmのパイプで連結します。さらに960mmの横パイプ2本をHJ-1で固定し、補強します。
5. マット付きの板の裏へJ-46を取り付け、フレームにはめ込んで固定します。
完成すると、ベッド下を荷物の収納スペースとして使えます。ただし、この作例のベッドは設置したまま走行できません。走行時に収納できる設計にし、プラスチックジョイントは必ず接着、分解する部分にはメタルジョイントを使うという使用上の注意を守りましょう。
収納・目隠し・換気・電源の快適装備
寝床が決まったら、荷物の置き場と窓まわりを整えます。デリカD:5にはマルチユースフックが14箇所あり、天井ネットを使った小物収納や、カーテンレールの設置に利用する方法が紹介されています。ワイヤーを通し、S字フックで小物を掛ける使い方も紹介されています。寝床や床に置く荷物に加え、天井側の空間も収納に利用したいときの選択肢です。
カーテンやシェードには純正アクセサリーと、デリカD:5専用に設計された製品があります。専用設計品には取り付け金具が付属するものが紹介されており、カーテンは外からの強い光を防ぐため、シェードは目隠しや直射日光の遮断に使えます。用途に合わせて窓まわりの用品を選びましょう。
春から秋の虫が気になる時期には、防虫ネットも候補です。東海三菱の解説では、マジックテープで取り付けるため加工が不要で、ある程度の目隠しにもなると紹介されています。換気時の虫よけを考えるときに確認したい用品です。
エンジンを切って電源を確保したい場合は、ポータブル電源を使う方法があります。HID屋の解説では、容量の目安を200〜500Wh未満ならスマホやLEDランタン、500〜1000Whなら扇風機や電気毛布、1000〜1500Whなら冷蔵庫や調理家電、2000Wh以上なら冷暖房と分けています。これは使う家電を考えるための容量目安として見る数字です。
車中泊場所・火気・アイドリングの注意点
車内を整えたあとは、利用する場所のルールも確かめましょう。国土交通省の「道の駅」に関する回答では、運転途中に疲労回復のため車内で仮眠することは構わないとしています。一方、駐車場など公共空間での宿泊利用は基本的に遠慮してほしいという案内です。
宿泊用の駐車スペースを別に設けた道の駅もあるため、利用前に各施設のホームページなどで確認します。道の駅やサービスエリアでキャンプ目的の長期滞在・連泊をするのではなく、宿泊が許可されたRVパークなどを選びましょう。
暖房や調理のために、カセットガスのストーブやコンロを車内で使うのは避けてください。密閉された車内では一酸化炭素中毒や火災の危険があります。車中で食事をするときは下準備したお弁当やレトルト食品を使い、車外調理も、その場所で車外の活動が許可されている場合に行います。
長時間のアイドリングも、一酸化炭素中毒や周囲への騒音につながるため避けます。車中泊中はエンジンを切って過ごしましょう。
よくある質問
- ベッドキットは普段の座席へ戻せる?
-
マットを外して通常の座席へ戻せるタイプがあります。紹介したALPINE STYLEのキットでは、前3枚のマットを後ろに収納すると2列目を全席使えます。
- 荷物を多く積むシート配置は?
-
2列目をチップアップしてスライドさせ、3列目を左右に跳ね上げる配置です。この状態では2名乗車となり、荷室長1,610mmの空間を確保できます。
- 防虫ネットは加工せず取り付けられる?
-
東海三菱の解説では、マジックテープで取り付けるため加工が不要とされています。ある程度の目隠しにもなる用品として紹介されています。
- 道の駅では仮眠と宿泊をどう区別する?
-
運転途中の疲労回復のための仮眠は可能ですが、駐車場など公共空間での宿泊利用は基本的に遠慮するよう案内されています。別に宿泊用区画を設けた施設もあるので、各道の駅の案内を確認します。
デリカの車中泊仕様を選ぶポイントまとめ
- 冷暖房まで備える完成車と、内装キット・ベッドだけの費用を分けて比べる
- 8人乗りは2列目の隙間が少なく、7人乗りは独立シート間をマットなどで補う
- シートの段差を補うマットか、床下収納も作るベッドキットかを選ぶ
- DIYは対象型式と実車寸法を確認し、部材・連結・補強・固定の工程を守る
- DIY作例のベッドは設置したまま走行せず、収納できる設計にする
- 宿泊が許可された場所を選び、車内の火気と長時間のアイドリングを避ける
まずは、何人で寝るかと、普段どれだけ座席・荷室を使うかを決めてみてください。シートを倒して段差を補う方法から、収納と両立するベッドキット、ポップアップルーフを備えた仕様まで、寝床の作り方は変えられます。
そのうえで、窓の目隠しやエンジン停止中の電源を整えていくと、自分の使い方に合う車中泊仕様を考えやすくなります。DIYを選ぶ場合は、寝るときの完成形だけでなく、走行時に収納するところまでを準備に含めましょう。







