アウトランダーPHEVで車中泊はできる?GN0W・GG系の荷室寸法と電源の注意点

アウトランダーPHEVで車中泊はできる?GN0W・GG系の荷室寸法と電源の注意点

アウトランダーには、後席を倒した空間を使う車中泊用ベッドキットが販売されています。ただし、車種名だけで「大人2人がそのまま快適に眠れる」とは判断できません。現行GN0Wと旧型GG系ではシートの構造が異なり、寝床に使う長さにも測定条件があります。

まずは自分の車の型式・乗車定員と、寝床を支える方法を確かめましょう。PHEVの電源は便利ですが、三菱自動車は仮眠するときにシステムを停止するよう案内しています。寝床づくりと、起きている間の電源利用を分けて準備することが大切です。

この記事のポイント
  • 型式・乗車定員で異なるシートアレンジ
  • 前席位置・計測位置と最小幅を含めた寝床の寸法
  • 専用ベッドの適合と支持方法の確認
  • 仮眠時のシステム停止と宿泊場所の条件
目次

アウトランダーで車中泊するための広さと寝床づくり

現行GN0Wと旧型GG系はシートアレンジが違う

現行GN0Wと旧型GG系はシートアレンジが違う

最初に分けたいのは、現行型のアウトランダーPHEV「GN0W」と、旧型PHEVの「GG系」です。GN0Wについて、三菱自動車の公式FAQは、後席を倒しても完全なフルフラットにはならないと説明しています。先代のような、座面と背もたれを動かすダブルアクション機構を採用していないためです。

対象後席・荷室の主な違い車中泊の準備で見るところ
GN0W・5人乗り後席の前後スライドなし。前倒ししても完全なフルフラットにはならない後席位置を動かす前提で寝床を考えない
GN0W・7人乗りセカンドシートの前後スライドあり。サードシートは荷室床下へ収納可能サードシート格納後の床面と、ベッドの適合条件
旧型PHEV・GG系セカンドシートのスライドなし。前倒し時はクッションを跳ね上げてから背もたれを倒す現行型の倒し方や用品をそのまま当てはめない

GG系の公式FAQには、前席を最前方へ動かし、前席のヘッドレストを外してつくる「フラットシート」も掲載されています。これは後席を前倒しして荷室を広げる方法とは別のアレンジです。「フラット」という言葉だけで写真や寸法を混ぜず、どの配置の説明かを見てください。

この記事の寸法・装備説明は、日本仕様のPHEVを中心にしています。ガソリン仕様やそれ以外の旧型に、GN0W・GG系PHEVの数値や給電機能を流用することはできません。中古車を選ぶ場合も、年式に加えて型式、5人・7人乗り、実車の装備をそろえて比較しましょう。

取扱説明書には、その車に付いていないタイプ別装備の説明が含まれる場合もあります。

大人1人・2人で寝られるかは荷室長と最小幅で判断する

GN0Wの荷室長は、前席を最前端までスライドさせ、セカンドシートを折りたたんだ状態で、フロントシートバック下部からテールゲートまでが約2040mmです。上部からは約1935mmで、計測位置によって異なる参考値です。普段の運転席位置のまま、約2040mmの寝床が残るという意味ではありません。

身長との比較では、前席をどこまで動かす配置なのかに加え、どの位置で測った長さなのかも確認する必要があります。

対象・測定条件荷室長の参考値荷室幅の参考値
GN0W・前席最前端、セカンドシート折りたたみ時フロントシートバック上部から約1935mm/下部から約2040mm(いずれもテールゲートまで)最小1070mm。最大はサブウーファーなしで約1300mm、付きで約1230mm
旧型PHEV・GG系、セカンドシート折りたたみ時約1685mm最小約975mm、最大約1305mm

いずれも寝床の完成寸法ではありません。GN0Wは計測位置で数値が異なります。GG系の資料には前席位置の記載がなく、同一の前席位置をそろえた比較はできません。

1人なら本人の身長と寝具の寸法、2人ならそれに横幅を加えて検討します。ここで重視したいのが、荷室の最も狭い部分。最大幅だけを見て寝具を選ぶと、ホイールハウス間の幅との違いを見落とします。2人分の寝具を並べたい場合は、使う位置の幅と寝具の外寸を照らし合わせましょう。

また、荷室長とベッドの長さは別の数値です。後述するGN0W・7人乗り用のMDFベッドキットは縦約182cmで、公式の荷室長2040mmとは一致しません。背の高い方は特に、車両の最大寸法だけで足を伸ばせると決めず、購入するベッド自体の長さまで見る必要があります。

後席の倒し方と背もたれに関する注意を押さえる

後席の倒し方と背もたれに関する注意を押さえる

現行GN0Wでは、5人乗りと7人乗りで、後席側から折りたたむ際の操作箇所が異なります。5人乗りは背もたれにあるレバー、7人乗りは座面下のストラップを使います。前席に当たって倒せない場合は、前席の前後位置を調節するよう説明されています。

荷室側からは、左右壁面のレバーでセカンドシートを倒せます。サードシート装着車では、先にその背もたれを倒す案内です。サードシートを床下へ格納する操作には、バックルの格納、ヘッドレストの折りたたみ、背もたれと座面の操作、格納後のストラップ固定が含まれます。単に背もたれだけを倒した状態とは区別しましょう。

現行型の取扱説明書には、折りたたんだ背もたれの上に乗らないよう注意があります。理由はシートの損傷や転倒によるけがのおそれです。「後席が倒せる」という仕様だけを根拠に、背もたれへ直接体重をかける寝床を勧めることはできません。

寝床の支持方法は、車両販売店と用品の販売元に相談したい部分です。段差が小さく見えることと、人の体重を支えられることは別の確認事項になります。なお、シートを戻すときは背もたれをゆっくり起こし、後方へ押し付けてロックする指定です。出発前には、寝床から乗車用の状態へ確実に戻します。

マットと専用ベッドは支持方法・適合・段差の条件で選ぶ

寝具は、厚いマットを選ぶところから始めるより、どこで体重を支える構造にするかを先に決めましょう。現行型の背もたれに関する注意がある以上、「マットを敷けば問題ない」とは言えません。車両側の注意を踏まえた支持方法を確かめ、その上で寝具の長さ・幅を合わせる順序です。

相談候補の一つが、MDF アウトランダー専用 オリジナルベッドキット(7人乗り用)アッシュグレイ 【送料込】です。販売ページでは、アウトランダーPHEVの5LA-GN0W、現行型/マイナーチェンジ後モデル専用と案内されています。この商品は7人乗り用で、5人乗り用は別商品です。

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組み立ては、2列目を倒してベースフレームを組み、マットを設置する方式。フレームは工具不要の組み立て式で、マット下には小物を入れられます。販売ページの寸法は縦約182cm、横は最長約134cm、高さは最高約71cmです。

身長170cmのモデルによる使用例もありますが、それをすべての体格の寝心地へ広げて考えないようにします。

購入判断で外せないのは、同じ販売ページに「純正シートの構造上、段差が生じる場合がある」「角度も若干つく」という注意がある点です。専用品でも、完全な水平面が保証されているわけではありません。長さだけでなく、残る段差や角度を許容できるか、実車の仕様でどう設置されるかを販売元へ相談しましょう。

メーカー取扱説明書の背もたれに関する注意と、販売元のベッドキットの案内は、確認する対象が異なります。キットが販売されていることだけで、車両メーカーの注意が解除されるとは扱えません。注文前には、自車の年式・乗車定員に対する適合と、フレームが体重を支える位置を具体的に照合してください。

アウトランダーで車中泊する前の荷物・電源・場所の準備

寝床を広げた状態で荷物の置き場まで決める

アウトランダーの荷室は、乗車時と寝床を展開したときで使い方が変わります。公式の積載例には5人乗車時のスーツケースなどが紹介されていますが、その荷物を積んだまま同じ場所で眠れるという説明ではありません。寝床の寸法を考える段階で、荷物をどこへ移すかも一緒に決めておきたいところです。

MDFのベッドキットは、マット下へ小物を入れられる構造です。ただし、そこへ旅行の荷物がすべて収まるとは案内されていません。寝床として使う上面と、実際に利用できる収納部分を分け、持っていく荷物の外寸と置き場を照合します。ベッドの広さだけを優先して、荷物の行き先がなくなる配置は避けたいものです。

走行時の固定も必要です。現行型の取扱説明書は、シートの高さ以上に荷物を積まず、確実に固定するよう求めています。後方が見えなくなることや、急ブレーキで荷物が飛び出すおそれがあるためです。荷室側面には固定用フックがあります。夜に使う配置と、走行中の固定を済ませた配置の両方を準備しましょう。

PHEVのAC電源は合計1500Wと機器ごとの条件を守る

PHEVのAC電源は合計1500Wと機器ごとの条件を守る

現行型のアクセサリーコンセントは、プラグインハイブリッドEVシステム起動中に家庭用電気製品の電源として使用できます。場所はフロアコンソールボックスと荷室。使用する機器はAC100V・消費電力1500W以下で、2口を同時に使う場合も合計1500W以内です。1口ごとに1500W使えるわけではありません。

上限以内でも、すべての家電が動くとは限りません。取扱説明書では、瞬間的に大きな電流が流れる製品、極めて安定した動作が必要な製品、タイマーなど連続出力を必要とする製品などは、正常に作動しないことがあるとしています。

家電の消費電力表示だけで対応を決めず、機器側の説明書やラベルも合わせて確認する必要があります。

  • 分岐用コンセントやプラグアダプターを取り付けて使わない
  • ストーブなどの熱器具を車内で使わない
  • 医療機器には絶対に使用しない
  • 車庫や、積雪で排気ガスが滞留するおそれのある場所では使わない
  • 使用中は車から離れず、コードをドアやテールゲートに挟まない

給電中は、状況によってエンジンが自動始動します。バッテリー残量が少なくなるとエンジンで充電を行うため、無音の電源としては扱えません。メーカーは、駐停車中の使用について自治体へ確認するよう案内しています。エンジン始動時にはガソリンも消費するので、電池の残量だけを見た利用計画にはしないでください。

また、車内の高温・低温や駆動用バッテリーの状態によって、給電が止まる場合があります。残量表示が0でなくても出力が断たれることがあるため、連続給電が必須の用途を車載コンセントだけに任せる判断には注意が必要です。就寝中の利用については、次の仮眠に関するメーカーの指示を優先します。

エアコンを使ったまま眠らず、仮眠時はシステムを停止する

「PHEVならエアコンを一晩つけたまま眠れるのでは」と考える方もいるでしょう。この点は、三菱自動車の公式FAQが直接回答しています。仮眠などをするときは、必ずプラグインハイブリッドEVシステムを停止するという案内です。EVプライオリティモードでも、この指示は変わりません。

理由の一つは、バッテリー残量の低下によってエンジンが始動する場合があること。排気ガスには有害な一酸化炭素が含まれます。公式FAQでは、無意識のアクセル操作による過熱・火災や、セレクターレバー操作などによる不用意な発進のおそれも説明しています。

後席に寝る配置を選んでも、メーカーが仮眠を認めた条件になるわけではありません。

エアコンの通常使用には、電源モードONに加え、READY表示灯の点灯が必要です。READYが点灯していない場合は送風のみとなります。「システムを止めても冷暖房が続く」と見込んだ計画もできません。バッテリーが何割あれば一晩大丈夫かという見積もりより、まず就寝時の停止という条件から旅程を考えましょう。

暖房方式にも装備差があります。現行車のヒートポンプ式エアコン装着車でも、外気温・室温・バッテリー残量などによってエンジンがかかる場合があります。非装着車では暖房使用時にエンジンがかかり、EVプライオリティモード選択時は暖房を使えないという条件です。

ヒートポンプの有無を、就寝中も無音で空調を使える保証にはできません。

駐車時は車載の取扱説明書に従って、Pスイッチの操作、電動パーキングブレーキ、パワースイッチによる停止を行い、READY表示灯の消灯を確かめます。車中泊の計画も、眠る間はシステムを停止する前提です。

冷暖房の連続運転が必要になる計画なら、その条件のまま車内で眠る方法を探すのではなく、宿泊方法から見直しましょう。

道の駅の仮眠と宿泊を分け、泊まれる場所を先に確保する

道の駅の仮眠と宿泊を分け、泊まれる場所を先に確保する

車内に寝床をつくれても、その駐車場を宿泊目的で使えるとは限りません。国土交通省の道の駅に関する回答では、運転途中の疲労回復のために車内で仮眠を取ることは差し支えないとしています。一方、駐車場など公共空間での宿泊利用は、基本的に遠慮してほしいという案内です。

別途、宿泊利用のための駐車スペースを設けている道の駅もあります。旅行の宿泊先として計画するなら、各施設の公式サイトなどで、その区画の利用条件を確かめてから向かいましょう。24時間利用できる休憩施設という説明だけを根拠に、駐車場全体を自由な宿泊場所として予定しないことが大切です。

PHEVの給電を使いたい場合は、施設側の利用条件に加え、エンジンの自動始動を伴う可能性と自治体の扱いも確認します。車両メーカーは、積雪・降雪時、車庫や壁などに囲まれた換気の悪い場所、他車の排気口が近い場所などで、システムを長時間作動させないよう警告しています。

電源の便利さだけで駐車位置を決めないようにしましょう。

出発前にそろえたいのは、自車に合う寝床の支持方法、寝具と荷物を置いたときの寸法、システムを停止して休む計画、そして宿泊利用が認められた場所です。アウトランダーの広さや給電機能は、それぞれの条件を踏まえて使う装備。

初めての準備では、この四つから順に決めていくと、用品を買う前に解決すべき点が見えてきます。

アウトランダーで車中泊するための準備と注意点まとめ

この記事のまとめです。

  • 現行GN0Wは後席を倒しても完全なフルフラットにはならず、旧型GG系とはシートの構造も異なります。
  • GN0Wの荷室長は、前席最前端・セカンドシート折りたたみ時に、フロントシートバック下部からテールゲートまで約2040mm、上部からは約1935mmという参考値です。
  • 2人分の寝床は最大幅だけで判断せず、使う位置の最小幅と寝具の外寸を照合します。
  • 現行型には折りたたんだ背もたれの上に乗らない注意があるため、寝床の支持方法を先に確かめます。
  • 紹介したMDFベッドキットは、アウトランダーPHEV(5LA-GN0W 現行型/マイナーチェンジ後モデル)の7人乗り用です。縦約182cmで、段差が生じる場合があり、若干の角度もつきます。
  • 寝床を展開した後の荷物の置き場と、走行中に確実に固定する配置の両方を決めます。
  • 現行型のAC電源は2口合計1500W以内です。上限以内でも正常に動かない機器があり、機器側の条件も確認が必要です。
  • 給電中はエンジンが自動始動する場合があり、電池残量があっても給電が停止することがあります。
  • 三菱自動車は、EVプライオリティモードでも仮眠時はPHEVシステムを停止するよう案内しています。
  • 道の駅での疲労回復の仮眠と宿泊利用は区別し、宿泊用区画がある場合も施設ごとの条件を確認します。
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この記事を書いた人

車中泊のミカタを運営しているクルミです。車種ごとの寝やすさ、マットやベッドの選び方、目隠し・換気・暑さ寒さ対策、泊まる場所のルールやマナーを、初めての方にもわかりやすく整理しています。無理なく安全に、くるま旅を楽しむための準備を一緒に確認していきます。

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