バネットで車中泊はできる?NV200の荷室寸法とベッド仕様の選び方

バネットで車中泊はできる?NV200の荷室寸法とベッド仕様の選び方

NV200バネットには、車中泊向けのベッドを備えた「マルチベッド」と「MYROOM」があります。標準車で準備する場合も、まず見るのは荷室の長さとシートの格納方法。荷物の運搬と就寝を両立したいならマルチベッド、停車中にソファーやテーブルで過ごす時間も重視するならMYROOMが比較の候補です。

ただし、旧型のバネットとNV200、バンとワゴンでは条件が異なります。車名だけで寝床の寸法を決めず、対象車の仕様から順に見ていきましょう。

この記事のポイント
  • 旧型・NV200・バン・ワゴンの見分け方
  • 荷室寸法と実際の寝床寸法の違い
  • マルチベッドとMYROOMの使い分け
  • 用品の適合・宿泊場所・気温への備え
目次

バネットの車中泊はできる?車種と寝床の広さ

旧型バネットとNV200、バンとワゴンを区別する

旧型バネットとNV200、バンとワゴンを区別する

最初に、車名に「NV200」が付くか、型式は何かを確かめます。日産の公式FAQでは、NV200バネットのバン・ワゴンを「2009年5月から・M20型」、旧型バネットバンを「1999年6月から2017年6月・S21型」として別々に案内しています。

期間が重なるため、年式だけでは区別できません。この記事のNV200の寸法やベッド仕様を、S21型へそのまま当てはめないことが大切です。

区分仕様を見分ける手がかり車中泊で見る点
標準のNV200バネット・バンDX・VX・GXなど。2人乗りと2/5人乗りの設定あり後席の有無、格納後の荷室寸法
標準のNV200バネット・ワゴン16X-2Rは5人、16X-3Rは7人乗りシート列数と実車のアレンジ
NV200バネット マルチベッドバンGXベース、ワゴン16X-2Rベースなどベッド幅、収納、駆動方式
NV200バネット MYROOMDXをベースに専用装備を追加2 in 1シートと平置きベッドの使い方

標準車と車中泊仕様車も分けて考えましょう。GXというグレード名が同じでも、標準バンとマルチベッドでは床やベッドの装備が異なります。また、ワゴンの7人乗りを見て、5人乗りのマルチベッドと同じ寝床が作れるとは判断できません。

中古車や手持ち車を検討するときは、車名・型式に加えて、グレード、乗車定員、現在付いている架装を一組で把握します。

標準バンは荷室長と荷室フロア長を分けて見る

標準バンの寝床を考えるときに、混同しやすいのが「荷室長」と「荷室フロア長」です。日産が示す荷室長1,900mmは、バックドア内側からパーテーションパイプまでの長さ。一方、荷室フロア長には別の値が掲載されています。

どちらも荷室の寸法であり、マットを敷いたときの有効なベッド長を保証する数値ではありません。

標準バンの対象・測定箇所日産掲載値条件
GXの荷室長1,900mm2名乗車時。バックドア内側からパーテーションパイプまで
GX・2WDの荷室フロア長2,040mm2名乗車時
GX・4WDの荷室フロア長1,963mm2名乗車時
DX・5人乗りの荷室フロア長1,830mm2名乗車時
リヤホイールハウス間寸法1,220mmバンの床面幅を考える際の測定箇所

表の数値は、日産によるバンの社内測定値です。ワゴンやMYROOMのベッド寸法として使うものではありません。同じバンでも、DXの5人乗りとGX、2WDと4WDでフロア長が異なります。「NV200なら床の長さは約2m」と一括りにすると、短い仕様を見落としてしまいます。

実車では、寝床を作る高さで前後と左右を測るのが次の段階です。床付近の幅を示すホイールハウス間寸法と、床から持ち上げた専用ベッドの幅は測定箇所が違います。前席や格納した後席、内装との位置関係も含め、予定するマットを置ける範囲を見ます。

荷室の大きな数字だけで、長さも幅も余裕があると決めないようにしましょう。日産の積載性ページでは、寸法の測定箇所とグレード別の条件を確認できます。

シートを倒すだけでフルフラットになる?

5人乗りの標準バンでは、セカンドシートをコンパクトに格納して荷室を広げる構造です。日産は、バンの荷室法規要件を確保するため、ワゴンとは異なり後ろへはリクライニングしないと説明しています。乗用ミニバンのように背もたれを後ろへ倒し、座面をつないで寝るアレンジを前提にしないほうがよいでしょう。

後席を格納して荷室が広がることと、そのまま寝心地のよいベッドになることは分けて考えます。マルチベッドは専用のベッドシステムとフロアパネルを備え、MYROOMは専用の2 in 1シートをフラットにして平置きベッドへつなげる仕様です。

標準車のシート操作だけで、これらと同じ寝床が完成するわけではありません。

手持ち車なら、対象車のシートアレンジで寝床を作り、継ぎ目や凹凸の位置を見てからマットを選びます。Hondaの車中泊案内でも、車種によってシートを倒した寝床に隙間や凹凸が生じると説明されています。これはNV200の全仕様に同じ段差があるという意味ではありません。

ワゴンについても、バンの格納方法をそのまま当てはめず、対象年式・シート列数の実車で確かめる必要があります。

1人・2人で寝るなら身長と荷物も含めて判断する

1人・2人で寝るなら身長と荷物も含めて判断する

専用仕様では、マルチベッドは大人2名が休めるフラットなベッドとして案内されています。MYROOMも日産が1人または2人でくつろぐ空間として紹介しています。ただし、「2人向け」という案内だけで自分たちに合うとは決まりません。寝床の前後長と幅を別々に見て、頭や足を伸ばす位置まで含めて判断します。

1人なら、寝る場所と荷物を置く場所を一緒に考える余地があります。2人の場合は、ベッドを広く使った状態で荷物がどこへ収まるかも重要です。マルチベッドにはベッド下収納があるため、就寝面だけを見て積載量を判断せず、持っていく荷物が収納側へ入るかを見ます。

展示車では、横になるだけでなく、寝床を展開したまま荷物を出し入れする場面まで確認するとよいでしょう。

乗車人数と就寝人数も別です。マルチベッドのワゴンは5人乗りですが、ベッドの案内は大人2名。MYROOMも通常のドライブモードでは5人乗車できる一方、停車中のくつろぎは1〜2人を想定しています。

家族やグループで移動する場合は、乗車定員をそのまま泊まれる人数として数えず、全員分の宿泊方法を決めておきます。

バネットの車中泊仕様の選び方と出発前の準備

マルチベッドは荷室との両立を重視する人向け

NV200バネット マルチベッドは、寝るときと大きな荷物を運ぶときで荷室を切り替えたい人に向く仕様です。後部のベッドを左右へ跳ね上げて収納でき、後席を折りたたむとさらに広い空間になります。床には硬質塩化ビニール張りのフロアパネルを採用。

公式案内では、撥水性に優れ、汚れても拭き取りが簡単とされています。

比較項目ワゴン16X-2RベースバンGXベース
ベッド長・専門誌掲載値1,720mm1,725mm
ベッド幅・公式図示値1,270mm1,470mm
駆動方式2WD2WD・4WD
乗車定員5名2/5名
ナンバープレート分類5ナンバー4ナンバー

ベッド長はAUTO CAMPERによる2025年仕様向上モデルの紹介の掲載値、幅は2025年11月の公式カタログの図示値です。長さの差より、幅の違いが比較のポイントになります。2人で横になる幅を優先するならバンGXベースが候補ですが、身長に対する前後の余裕は購入対象の実車で見ておきましょう。

ベッド下の荷物置き場に加え、食事や作業用の脱着式テーブルもメーカーオプションで用意されています。高さを調整でき、使わないときはベッド裏へ収納可能です。荷室中心で使う日と、車内で食事をする日があるなら、テーブルの有無まで含めて選びます。

注文時に申し受ける装備なので、後から付ける前提で見積もりから外さないようにしましょう。

普段の後席の使い勝手も確認したい点です。公式カタログのワゴンの案内には、ベッド収納時にセカンドシートのリクライニングが制限されるとの注意があります。また、マルチベッドは走行時にベッドとして使用できません。

泊まるときの広さに加えて、ベッドを収納した通常の乗車状態も見ておくと、日常使いとの両立を判断できます。

MYROOMはソファー・テーブル・ベッドを使い分けたい人向け

NV200バネット MYROOMは、DXをベースに専用の2 in 1シートや平置きベッドを加えた特装車です。2 in 1シートは、表面と裏面でクッションの硬さが異なる構造。リビングルームモードでは柔らかめの面を、ドライブモードとベッドルームモードでは硬めの面を使います。

単にベッドを置く仕様と比べ、停車中に座って過ごす場面まで組み込まれていることが特徴です。

就寝時は2 in 1シートをベッドルームモードにし、2枚のボードを並べて寝床へつなげます。使わないときはボードを折りたたみ、スライドテーブルとまとめてセカンドシート後部へ収納。シートは5:5の左右分割構造なので、一方をリビングルームモード、もう一方をベッドルームモードにするアレンジも可能です。

2人が同じ時間に同じ過ごし方をしなくても、左右を使い分けられます。

寝床の大きさについては、Car Watchの2025年4月1日公開の試乗記事が、MYROOMの4WD試乗車をベッド長1,840mm・幅1,200mmと紹介しています。これは同記事の試乗車についての値で、現在の全仕様に共通する寸法として保証するものではありません。

背の高い人が候補にする場合も、購入対象の年式・仕様で寝床を展開して判断しましょう。

MYROOMの見積もりでは、ベッド以外の装備区分も見ます。車内カーテンと断熱材は架装オプションで、断熱材はカーテンの架装オプションを選んだ場合に選択可能。木目調の内装や照明があることと、写真に見える装備がすべて標準で付くことは同じではありません。詳しくは日産のMYROOM案内と装備一覧を照合します。

停車中のアレンジを楽しむ仕様ですが、走行時は必ずドライブモードで使用します。スライドテーブルも走行時にロックする必要があります。マルチベッドと比較するときは、荷室へ戻す使い方を重視するか、ソファーに座ってテーブルを使う滞在時間を重視するかを先に決めると、選択の理由がはっきりします。

後付けベッド・マット・目隠しは適合と収納から選ぶ

後付けベッド・マット・目隠しは適合と収納から選ぶ

標準車へベッドキットを付けるなら、適合欄の車名だけでなく、グレードとシート形状まで見ます。

具体例として、オグショーが紹介する「【数量限定アウトレット・旧仕様】NV200バネット バンGX ESフラットベッドシステム」(商品番号OG200-023)は、バンGXのうちセカンドシートが6:4分割式の車両のみ適合とされています。

「NV200用」という言葉だけでは、DXやワゴンへ付くとは判断できません。

この旧仕様品は、フロアパネルとフレーム式ベッドを組み合わせ、純正ユーティリティナットを使って専用フレームを固定する構成です。後付け用品を比較するときは、マットだけの商品か、床パネルや固定部材まで含むシステムかも見ます。

なお、これは旧仕様のアウトレット品の適合例で、現在の購入候補として在庫を保証するものではありません。現行品や別の商品へ、同じ適合条件を転用しないようにします。

マットは、寝床に残る凹凸と、使わないときの置き場所を併せて考えます。Hondaの一般的な車中泊案内では、8〜10cmの厚いマットはかさばる一方、凹凸を低減できると説明されています。ただし、これはNV200専用品の指定厚さではありません。

専用ベッドマットがある車両も含め、必要な厚さは実際の寝床で判断し、収納時の大きさも見ておきましょう。

窓の目隠しは、外からの視線と光への備えです。Hondaの案内も、窓ガラスを覆うシェードの必要性を挙げています。MYROOMなら架装オプションのカーテンの有無を、標準車やマルチベッドなら対象車の窓に合う用品を見ます。

寝床、マット、目隠しの順にそろえるときも、シェードだけで暑さや寒さに十分対応できると考えず、気温への判断は別に行います。

宿泊場所は利用許可と施設ごとのルールで決める

寝床ができても、駐車できる場所ならどこでも宿泊できるわけではありません。車中泊を受け入れる施設やオートキャンプ場を候補にし、車内での宿泊が認められる区画を選びます。Hondaの案内では、キャンプ場でも駐車場での宿泊ができない場合や、オートキャンプ場でも車中泊が禁止される場合があるとしています。

施設名だけで判断せず、予定する利用方法に合うかを見ましょう。

道の駅では、疲労回復のための仮眠と、宿泊を目的とした利用を区別します。国土交通省の公式回答は、運転途中の仮眠は構わないとする一方、駐車場など公共空間での宿泊利用は基本的に遠慮してほしいと案内しています。

ただし、別途宿泊用の駐車スペースを設ける道の駅もあるため、その施設のホームページなどで詳細を確認して利用するという条件が付いています。

宿泊が認められる場合も、車の横にテーブルや焚き火台を出せるとは限りません。車内で過ごす予定なのか、車外でもキャンプをする予定なのかを分けて施設のルールを見ます。また、日没後はドアの開閉音やキー操作の電子音にも配慮が必要です。

Hondaは同行者と出入りのタイミングを合わせるなどの配慮を挙げています。夜間に何度も荷物を取りに出なくて済むよう、就寝前の配置を決めておくことも準備の一つです。

エンジンを止めた環境で過ごせるかを先に判断する

エンジンを止めた環境で過ごせるかを先に判断する

キャンプ場での車中泊は、エンジンをかけ続けて冷暖房を使う前提にしないことが大切です。Hondaは、サイトへ到着したらエンジンを停止するよう案内しています。一方で、窓やシェードの用意だけで暑さを解決できるわけでもありません。

JAFの検証結果を踏まえ、エンジン停止後の車内で無理なく過ごせる天候・気温かを、寝床の準備と同じ段階で判断します。

JAFが2012年8月、気温35℃の炎天下でミニバンを使って行ったテストでは、サンシェード装着車の車内最高温度は50℃、窓を3cm開けた車両でも45℃でした。NV200の測定値ではありませんが、日差し対策や小さな窓開けをしても高温になり得ることを示しています。

網戸は虫の侵入を抑えるための用品であり、MYROOMの換気装備も、それがあるだけで暑い日の就寝を安全と判断する理由にはできません。

寒さについても、車内を一度暖めれば朝まで保てるとは考えないようにします。JAFの長野県での2月の夜間テストでは、車内を25℃に暖めてエンジンを停止し、外気温−10.2℃で計測を開始。車内は3時間後に氷点下となり、翌朝のテスト終了時には−7℃まで下がりました。

これもNV200専用の試験ではありません。JAFは厳冬期の車内を、荒天時の緊急避難場所として使うにとどめるのが賢明としています。

寒さを補うために、車内でカセットこんろや燃焼式ランタンを使うことも避けます。Hondaは、一酸化炭素中毒や火災、やけどの危険から車内で火器を使わないよう注意しています。暑さ・寒さへの備えが十分でない日は、車中泊を続けることにこだわらず、宿泊計画を変更する判断も必要です。

ベッドの広さ、宿泊場所の許可、エンジンを止めた後の環境まで整えてから出発しましょう。

バネットの車中泊で確認したいことのまとめ

この記事のまとめです。

  • 旧型バネットのS21型とNV200のM20型は別モデル。年式だけでなく車名・型式・グレードを確認する
  • 標準バンの荷室長と荷室フロア長は測定箇所が異なり、ベッドの有効長を保証する値ではない
  • GXでも2WDと4WDでフロア長が異なるため、別グレードやワゴンへ寸法を転用しない
  • 標準バンの5人乗りは後席を格納して荷室を広げる構造。専用仕様と同じ寝床になるかは別に判断する
  • 1〜2人の就寝では身長・寝床幅・荷物置き場を合わせて見て、乗車定員を就寝人数として数えない
  • マルチベッドは荷室との切り替えが特徴。公式図示のベッド幅はワゴン1,270mm、バンGX1,470mm
  • MYROOMは左右分割シートでソファーとベッドを使い分けられ、カーテン・断熱材にはオプション条件がある
  • 後付け用品はグレードとシート形状まで照合し、マットの凹凸対策と収納場所も考える
  • 道の駅での疲労回復の仮眠と宿泊利用は区別し、宿泊用区画やキャンプ行為の許可を施設ごとに確認する
  • 窓開けやシェードだけで暑さを解決できるとは考えず、寒冷時もエンジン停止後の環境を踏まえて宿泊計画を決める
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この記事を書いた人

車中泊のミカタを運営しているクルミです。車種ごとの寝やすさ、マットやベッドの選び方、目隠し・換気・暑さ寒さ対策、泊まる場所のルールやマナーを、初めての方にもわかりやすく整理しています。無理なく安全に、くるま旅を楽しむための準備を一緒に確認していきます。

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