車中泊ベッドをDIYするには?寸法・材料・費用と作り方を解説

車中泊ベッドをDIYするには?寸法・材料・費用と作り方を解説

車中泊ベッドのDIYは、車内を測り、取り外し方を決めてから材料を選ぶ順番で進めましょう。木材で骨格を組む方法も、イレクターパイプで組み立てる方法もありますが、寝床の広さと収納量、普段の車の使い方によって向く構造が変わります。

この記事では、寸法と材料の決め方から、フレーム・天板・マットの製作までを説明します。具体的な組立例には、矢崎化工が提供するデリカD5用のレシピを使用。ほかの車へ寸法をそのまま当てはめず、製作の考え方を参考にしてください。

この記事のポイント
  • 寝る・座る姿勢を基準にした採寸
  • 材料と接続方法による構造選び
  • フレームと寝床全体を分けた予算
  • 組立・マット製作と走行時の収納条件
目次

車中泊ベッドをDIYする前に決める寸法・材料・費用

寝る姿勢と座る姿勢から長さ・幅・高さを測る

寝る姿勢と座る姿勢から長さ・幅・高さを測る

最初に決めたいのは、ベッドを置ける大きさと、自分が寝られる大きさです。車内に板が収まっても、足を伸ばせなかったり、寝返りで腕や膝が壁に当たったりするなら、寝床としての余裕が足りません。設置予定の場所で実際に横になり、体を動かす範囲まで確かめます。

採寸では、車内の長さ・幅・高さに加え、倒したシートの段差と隙間も記録しましょう。幅は広い部分の数字だけで決めず、タイヤハウスなど、ベッドと干渉する場所も見ておきます。

測るところ設計に反映すること
頭から足先までの長さ足を伸ばせる寝床の長さ
設置場所の幅と張り出し天板の形と、寝返りできる幅
シートの段差・継ぎ目の隙間土台の高さと、平らにする範囲
寝床から天井までの空間マットを敷いて座れる高さ
設置スペース全体フレームと天板が収まる寸法

高さは、ベッド下へ入れたい荷物だけで決めないこと。収納を増やすために高くすると、上で座る空間が減り、着替えや荷物の出し入れが窮屈になります。板などを仮置きし、予定するマットも含めた高さで座ってみましょう。

寸法例として、矢崎化工の車中泊ベッドの公式図面には、外寸が幅107×奥行179×高さ47cmとあります。ただし、モデル車種はデリカD5、型式DBA-CV2Wです。この数字を軽自動車や別のミニバンの標準寸法にはせず、自車の採寸結果と分けて考えてください。

木材・すのこ・イレクターパイプをどう選ぶ?

角材と板を加工して形を作りたいなら木材、接続部を分解して組み直したいならメタルジョイントを使うイレクターが候補です。木材では切断やビス固定の作業が中心になり、イレクターではパイプとジョイントを組み合わせて骨格を作ります。

ここで分けたいのが、床板になる材料と、その下で支える骨格です。すのこを使う案でも、すのこの大きさだけでベッド全体の構造が決まるわけではありません。

候補選ぶときの着眼点製作前に詰めること
角材と合板切断・穴あけ・ビス固定で形を作れる加工に使う工具と、完成後の持ち運び方
イレクターパイプジョイントで骨格を組み、メタルジョイント部分は分解できる接着する場所と、分解する場所の区別
市販のすのこ製品が案内する用途と仕様を見る人を支える床板として使う場合の条件

例えば、DCMの「桐すのこ」は、ふとんや衣類の保管、ベッドや押し入れなどでの利用を案内している製品です。一方、その商品紹介には、車中泊ベッドの床板として人を支える場合の許容荷重や支え方は示されていません。通気性の説明だけを、人が寝る構造の強度保証として扱わないようにしましょう。

イレクターも、すべての接続部を自由に外せるわけではありません。矢崎化工の説明では、プラスチックジョイントは専用接着液で固定し、メタルジョイントはボルトとナットで締め付ける方式です。脱着を重視するなら、素材名に加えて接続方法まで選ぶ必要があります。

普段の座席利用に合わせて分割・脱着を設計する

普段の座席利用に合わせて分割・脱着を設計する

通勤や買い物にも使う車なら、ベッドを外して元の空間へ戻すところまで設計しましょう。一体で作るか、フレームや天板を分割するかによって、設置後の扱いが変わります。普段から座席や荷室を使う人には、取り外しや再配置ができる構造が候補になります。

天板を分ければ、設置・撤去だけでなく、下に置いた荷物の出し入れにも対応しやすくなります。取り外す頻度が高い場合は、一人で持ち上げられる重さかどうかも設計時の判断材料です。

デリカD5用のメーカー提供例では、フレームをあらかじめ面単位で組み、車内で面同士をパイプでつなぐ方法を採っています。毎回すべてをばらばらにするのではなく、組み立てた面を単位に扱う考え方です。

同じレシピには、分解部分へメタルジョイントを使い、走行時に収納できる設計にするよう注意があります。

設置中の寝床だけを図にするのではなく、どこを外し、どの単位で収納するかも一緒に決めておきましょう。

予算はフレーム・天板・マット・工具に分ける

費用は、フレームだけの金額と、寝床が完成するまでの金額を分けて見積もります。パイプが安く収まっても、天板やウレタン、表皮、加工用の工具が別に必要なら、それらも予算へ入れるためです。

デリカD5用の例では、DCMの2021年7月15日掲載記事に概算材料費27,300円、矢崎化工の公式図面に31,800円と、異なる金額が載っています。いずれも「イレクター部材のみ」。

図面には「202406」の表記と価格変更の注記もあるため、どちらも現在の完成総額としては扱わず、必要部材の購入時価格で見積もり直しましょう。

  • 骨格:角材またはパイプ、ジョイント、接続用の部材
  • 天板:設計に合わせた板材と固定部品
  • マット:ウレタン、ビニールレザーなどの表皮
  • 加工・組立:切断工具、やすり、締付工具、接着液
  • マット製作:タッカーと芯、カッター、定規、はさみ

パイプを自分で切る場合、矢崎化工の「イレクター専用ハンドカッター」EK-9も工具の候補です。公式図面では、市販の金切りノコでも切断できる一方、専用ハンドカッターなら垂直にまっすぐ切れると案内しています。切断後は、切り口のバリをやすりなどで取り除く手順です。

木材を使う場合は、ホームセンターのカットサービスを利用する方法もあります。手持ちの工具と依頼する加工を先に決めてから、買い足すものを見積もるとよいでしょう。

車中泊ベッドのDIY手順と完成前に確かめたいこと

図面の寸法とジョイントを確認してフレームを組む

イレクターで作るなら、外寸、図中の寸法、材料表のパイプ長さを分けて読みます。デリカD5用の公式図面では、図中のサイズは「芯寸法(mm)」、材料表の「H-」は直径28mmのイレクターパイプの長さを表すという注記があります。図中の数字を、そのまま全部の切断長として使わないことが大切です。

また、この図面では脚に使うパイプの長さも一種類ではありません。別の車へ合わせる際、完成外寸だけを変更して同じ構造になるとは考えず、脚の位置と接続部を含めて設計します。

  1. 自車の採寸結果と、使用する図面・材料表を照合する
  2. パイプを必要な長さに切り、切り口のバリを取り除く
  3. フレームを面単位で組み立てる
  4. 車内で面同士をパイプで連結する
  5. 図面で指定された補強用パイプを取り付ける
  6. 接着箇所と締付箇所をそれぞれ確認する

この製作例では、2列目シートを囲う部分と3列目シート側のフレームを連結し、補強用の横パイプも取り付けます。具体的な配置と部材は、矢崎化工提供の製作手順と公式図面を合わせて参照してください。

プラスチックジョイントは、パイプを奥まで差し込み、専用接着液で固定する方式です。公式図面では、仮接着で間違いがないことを確かめてから本接着し、最後に全接着箇所を確認するよう案内しています。メタルジョイントはツメのかみ合わせを確認して締め付け、全締付箇所の緩みを確認します。

分解したい場所まで接着せず、設計時に決めた接続方法で組みましょう。

天板の厚さと支え方をセットで決める

天板の厚さと支え方をセットで決める

「合板は何mmならよいか」と迷ったら、板の厚さと、その板を支えるフレームをセットで見ましょう。矢崎化工のデリカD5用製作例では、材料に厚さ12mmの板を指定し、フレーム側には補強用の横パイプも使っています。

これは、その部材と構造を組み合わせた製作例です。厚さ12mmという数字だけを取り出し、異なる脚の配置や大きさのベッドでも同じように使えるという意味にはしないでください。紹介されている図面と製作手順には、このベッド全体の耐荷重の数値は示されていません。

天板の取り付けでは、板を載せた後の固定方法まで必要です。この製作例は、板の裏へあらかじめJ-46を取り付け、イレクターにはめ込んで固定する方法。フレームができたからといって、板を上へ置くだけで仕上げる手順ではありません。

板を車の形に合わせて切ったら、マットを張る前に配置どおりに並べておきます。RESTAのベッドマット製作例では、各板の裏側へ印を付け、複雑な配置では位置も書いておく方法を紹介しています。分割した天板ほど、表裏と並び順を残しておくと、張り込み後の取り付けで迷いません。

ウレタンとビニールレザーでマットを仕上げる

天板にウレタンと表皮を張るなら、ウレタンは板と同じ形、ビニールレザーは裏へ巻き込む余裕を付けて切ります。両方を板と同じ大きさに切ってしまうと、表皮を裏側で留める分が足りません。

RESTAのベッドマット製作例では、板を型にしてウレタンを切り、ビニールレザーには板とウレタンの厚みに応じた巻き込み分を取ります。巻き込みの目安は、両方の厚みに、板の裏へ回す分として約5cmを加えた長さです。使用する板やウレタンが変われば、必要な余裕も変わります。

  1. 各天板の形に合わせてウレタンを切る
  2. 巻き込み分を付けてビニールレザーを切る
  3. ビニールレザーの裏面を上にし、ウレタン、板の順に重ねる
  4. 板も裏面を上にして、ウレタンと形を合わせる
  5. 表皮を角に沿わせ、四隅をタッカーで留める
  6. 角の余りはヒダを作って収め、辺も固定する
  7. 固定を終えてから、裏側の余分な表皮を切る

角は、余った表皮を一度に押し込まず、少しずつヒダを作って形を整える手順です。RESTAでは、まっすぐな辺を約3〜4cm間隔でタッカー固定する方法を紹介しています。四隅を留めた後、角と辺を順に仕上げていきましょう。

この張り方は、汚れや穴が気になった表皮、へたったウレタンを張り替えられる点も特徴です。ただし、マットを張り終えたことと、寝心地が決まったことは別。最終的にはフレームへ取り付けた状態で横になり、板の硬さや継ぎ目の当たり方を確かめます。

完成後は寝心地と走行時の収納を確かめる

完成後は寝心地と走行時の収納を確かめる

仕上げは、マットまで取り付けた状態で行います。横になって腕や膝が壁・荷物に当たらないか、寝返りの余裕があるかを確認し、座ったときの頭上空間も見直しましょう。フレームだけの高さで合わせたつもりでも、マットを載せた状態では使い心地が変わります。

中央の沈み込み、きしみ、ガタつき、天板の継ぎ目の違和感も確認項目です。寝床の広さだけでなく、実際に体を動かすところまで確かめて仕上げます。

矢崎化工が提供するデリカD5用レシピでは、ベッドを設置したまま走行しないこと、走行時に収納できる設計にすることが指定されています。この製作例を採用する場合は、停車中に展開する使い方を前提にしてください。

初めて使う前に、設置から収納までの流れも一度通しておきましょう。分解する場所が計画どおりか、収納する単位が扱える重さか、普段使う座席や荷室へ戻せるかが最後の確認です。

自作ベッドは、寝るときの形と、普段の車へ戻すときの形を一緒に考えると、使い方に合った設計になります。

採寸表と部材表を用意し、まずは無理なく設置・撤去できる構造から具体化していきましょう。

車中泊ベッドのDIYで押さえたいことのまとめ

この記事のまとめです。

  • 車内寸法だけでなく、足を伸ばし寝返りできる範囲を確かめて寝床の大きさを決めます。
  • ベッドの高さは収納量だけで決めず、マットを敷いて座ったときの頭上空間も確保します。
  • 木材は加工と持ち運び方、イレクターは接着部分と分解部分を考えて選びます。
  • すのこの通気性に関する説明を、人を支える床板としての強度保証には置き換えません。
  • 普段も使う車では、分割・脱着の方法と、一人で扱える重さを設計時に検討します。
  • 部材のみの概算費用と完成総額は別です。天板・マット・工具も含めて購入時に見積もります。
  • 図面の外寸・図中寸法・パイプ長さを区別し、対象車種の寸法を自車へそのまま流用しないようにします。
  • デリカD5用製作例の厚さ12mmの板は、指定フレームと組み合わせた例であり、任意の自作ベッドの耐荷重を保証する数字ではありません。
  • 自作マットはウレタンを板の形に合わせ、表皮には厚みと裏側への巻き込み分を取って仕上げます。
  • 矢崎化工提供のデリカD5用レシピでは、設置したまま走行せず、走行時に収納できる設計が必要です。
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この記事を書いた人

車中泊のミカタを運営しているクルミです。車種ごとの寝やすさ、マットやベッドの選び方、目隠し・換気・暑さ寒さ対策、泊まる場所のルールやマナーを、初めての方にもわかりやすく整理しています。無理なく安全に、くるま旅を楽しむための準備を一緒に確認していきます。

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